私は長年、知的に優れ、カミソリのように頭のキレが鋭く、
学業成績も良く、迅速な思考ができるにもかかわらず、
どこか生気がなく、手の届きにくい人にたくさん出会ってきた。
こうした人々は「頭の中」にいる状態で、
自らの感情に触れることができない。
リ・スパーク:トラウマや抑うつを乗り越えて グレイアム・ミュージック (著)より
思考が親代わりになる「マインド・マザーリング」
本来、幼い子どもは、
親や養育者との関係の中で
- 安心する
- 落ち着く
- 気持ちを整理する
- 自分を感じる
ことを学びます。これを心理学では
「共同調整(co-regulation)」と呼びます。
しかし、外部から十分な安心感が得られなかった場合、
子どもは
「誰も支えてくれないなら、
自分で自分を支えなければ」
となります。
そこで早々にマインド(思考)を発達させることで、
思考を「お母さん代わりにする」マインド・ペアレント
つまり、本来なら
安心できる誰か→落ち着く→自分を感じられる
という流れが
安心できる誰かがいない
→考える→分析する→理解する→なんとか保つ
これが マインド・マザーリング です。
(思考が母親代わりになっている状態)
なぜ、これがミス・スパークなのか?
外から見ると、こういう人はむしろ優秀です。
- 勉強できる
- 分析力がある
- 理解力が高い
- 問題解決能力がある
しかし内側では、
「考え続けていないと不安」
が起きています。
だから、
知的探究そのものではなく、
思考への依存になっていく
(これがミス・スパーク:スパークが誤った方向へ向かう状態です)
「生きる実感の喪失」
例えば、
- 感情が薄い
- 身体感覚が弱い
- 喜びが少ない
- 欲求がわからない
でも、
頭だけは高速回転している。
すると、外からは
「聡明で、活発な人」に見える。
しかし本人は
生きている感じがしない
ことがあります。
単に「考えすぎは良くない」という話ではなく、
「頭が良いこと」や「思考力が高いこと」そのものが問題なのではなく、
思考が“生き延びるための代用品”になっているミス・スパーク
本当の回復は、思考を母親代わりになっている状態から
「身体感覚やつながりを再び受け取れるようになること」「理解することで楽になろう」ではなく「感じることで戻ろう」への移行がキーポイント
この本では
「安全の中で再び生きる力が自然に戻ってくる」
という視点が一貫しています。
「トラウマや抑うつによって失われた生命力(スパーク)を、安全な関係性と身体レベルの回復を通して再点火(リ・スパーク)していくプロセスを描いた本」



