1972年にLord Reithが語った言葉
彼は、現代社会最大の問題は
「疎外(alienation)」である
と述べました。ここでいう疎外とは、
- 社会から切り離されている感覚
- 自分には影響力がないという感覚
- 意思決定から排除されている感覚
を意味します。
「疎外とは、自分ではどうにもできない経済的な力の犠牲者になっているという感覚である。」
と説明しています。
著者は、このような
- 無力感
- 絶望感
- コントロール喪失
こそが、現代社会が生み出す慢性的ストレスの重要な源であると考えています。
ページ最後で著者は、読者に印象的な問いを投げかけます。
「もし彼(リード卿)が、現在の社会を見たら何と言うだろうか?」
この問いには、現代では
- 社会保障の縮小
- 経済格差の拡大
- 雇用の不安定化
- 市場競争の激化
- 孤立や共同体の衰退
などが進み、当時よりも疎外やコントロール喪失がさらに深刻になっているという著者の問題意識が込められています。著者は、
こうした社会構造が慢性的なストレスを生み、
それが心身の健康にまで影響すると主張しています。
「比較的『良い時代』ですら人々は疎外されていた。では、競争と不安定さがさらに増した現代社会では、その影響はどれほど大きいだろうか。」
- リード卿が「疎外」を問題視したのは、現在よりも社会保障が充実していた時代だった。
- 著者は、その時代ですら問題だったなら、現代はさらに深刻ではないかと問いかけている。
- 個人のストレスではなく、社会構造そのものが人々の慢性的ストレスや健康問題を生み出しているという視点をさらに強めている。
- 現代の資本主義は、一部の富裕層には大きな利益をもたらす一方、多くの人には不安定さや格差をもたらしていると著者は論じている。
- 政治や経済に対して「自分には影響を与えられない」という感覚が、人々の慢性的ストレスを高める。
- 経済的・政治的な力の偏りは、民主主義の形があっても「疎外感」を生み出しうる。
- 疎外(Alienation)とは、社会や人生を自分でコントロールできないという感覚であり、現代社会の重要な健康リスクとして位置づけられている。
「人間にとって大きなストレスは、単にお金がないことではなく、『自分の人生や社会に影響を与えられない』という無力感や疎外感そのものである。」
参考図書:The Myth of Normal: Trauma, Illness, and Healing in a Toxic Culture (English Edition) Gabor Maté MD (著)
