このサイトで使われている Outside、Borders、Inside( 略してOBI )という3つのイマココ感覚をあらわすキーワードについては、書籍:Christine Caldwell『Bodyfulness』: Somatic Practices for Presence, Empowerment, and Waking Up in This Lifeに出てくるワードで、その3つのキーワードをSHAlica独自に考察している内容となります。
安定した自律神経は3つの層を「行き来できる」
つまり、特定の層に固定されずに、その都度バランスがとれる。
Inside(内側)を感じながら、
Borders(境界)を保ち、
Outside(関係・空間)に呼応する
ズレる → 気づく → 戻る
この往復(オシレーション)そのものが調律。
| Outside 外受容感覚 (外界:ひろがり) | Borders 固有受容感覚 (イマココ感覚:皮膚感覚) | Inside 内受容感覚 (内側感覚:体内感) |
|---|---|---|
| 視覚・聴覚など、外の世界を認識する。現在の安全確認に必須。 | 皮膚の接触、反力。OutsideとInsideの中間に位置する調整層 | 心拍、呼吸、内臓感覚、情動。過去の感覚的記憶 |
| 視覚、聴覚、空間、距離感 | 手触り、接地感、重さ、支え、反力、一点接地 | 内臓感覚、体内感 |
| (まぶたの外側) | 「まぶた」を閉じた…… | (まぶたの内側) |
安定した自律神経は「戻れる」
安定しているときほど
- Inside(内側感覚:呼吸・心拍・内臓感覚)だけに長居していない
- 勝手にOutside(外界:視覚・音・空間)にも戻れる
- 他者・世界との接続感=つながり、安心感がある
不調なとき
- Inside(内側感覚:呼吸・心拍・内臓感覚)に入るのが速い
または、はいったまま固定=出れない - Outside(外界:視覚・音・空間)への戻り道(つながり)が消えている
inside ⇄ Outside の可逆性がない - 視界があるのに「平面っぽい、無機質」
- 音が聞こえるのに「遠い」
- 空間にいるはずなのに「位置感がない」
- 「ここにいる」という実感が薄い
というような体感があるかもしれません。
Outside:外側を感じている
「 外の世界が、今ここにある 」
外界(視覚・音・空間・ひろがり)
環境・他者・行為・現実・動き
関係・生活・社会・文化・言語の層
アイデンティティとしての自己像
(私は誰か、という語り)
過去・未来を含むストーリー構造(コンテンツ)
身体経験が「意味」になった世界
単独で使うと:消耗/過刺激/侵入
Outsideの「物語が固まる」と
新しい動きが入りにくくなる
(身体の更新が止まる)
感じ方のアイディア
- 目に入る(色を3つ探す、一番明るい所/暗い所を見る)
- 音(一番遠い音、一番近い音)
- 空間(天井までの高さ、壁や窓までの距離)
- 動き(視界の端で動くものを追う)
- 今日の日付の確認(いま起きていることの現在地の確認)
感覚のヒント
- はっきり
- 広がる
- 外へ開く
「見えた/聞こえた」で終わり=十分
考えない・評価しない・ラベル貼り・説明しない
Borders:境界を感じている
「 私と世界の境目がここにある 」
調整機能・皮膚・圧・重さ
(どこまで出すか/出さないか=もどる)
身体と環境の境界
(接触・圧・反力・支持・輪郭)
調整・距離・出入りの制御
感覚 → 表現 への翻訳点
「今ここで、どこまで出すか」
Insideがそのまま溢れ出ないための、
Outsideがそのまま流れこんでこない
調整層=安全装置
Bordersは「背側に落ちないための支持」
Bordersが
硬すぎる (遮断・孤立・防衛・再体験・圧倒)
人と近づけない、常に警戒「誰も信じられない」、肩・顎・腹が固い
溶けすぎる・薄い (融合・同一化・麻痺・切断)
他人の感情を背負う、NOが言えない、すぐ疲弊、皮膚感覚が希薄
感じ方のアイディア
- 接触(足裏と床、お尻と椅子、圧)
- 温度(空気が当たる肌、手のひらの温かさ)
- 輪郭(肩のライン、顔の境界)
- 体の「外枠」をなぞるイメージ
感覚のヒント
- はっきり
- 安定
- ここまでが自分
borderの状態によって変わる体感
- 人の声が「騒音」になる/ならない
- 感情が「波」になる/「飲み込まれる」
- おこなっているワークが「調整」になる/「過負荷」になる
Bordersの安定 → Insideの変化 → Outsideにも反映
(回復は 境界を育てること)
1) 身体との接続感(ここにいる)
足裏・座面・皮膚・重さ・温度みたいな “身体の外形” を拾うことで、
Inside(深い内側)に潜らずに、でも身体とはつながれる。
2) 安心の足場(落ちない)
安心って「考えて作る」より、まず 身体が“落ち着ける足場”を持つこと
Bordersがあると、状態が揺れても 戻れる足場がある(という安心感)
3) 選べる余白(腹側の起動を助ける)
Bordersが安定してると 腹側迷走神経が立ち上がる条件が揃いやすい。
関連記事:Borders結界ワーク(神経系グランディング・ワーク)
Inside:内側を感じている
「身体の中で起きていることを、そっと知る」
感覚・衝動・身体記憶
安全/危険、快/不快の一次情報
まだ意味づけされていない「生の体験」
自己物語になる前の素材
=「私はこう感じている」という事実以前の感覚
body memory(身体記憶)トラウマ記憶が身体として再浮上する部分
主観的体験・深まり・静けさ・意味感情・内臓感覚・身体感覚
単独で使うと:溶ける/沈む/巻き込まれる
ほかのOutside、Bordersが機能していることが大事
感じ方のアイディア
- 呼吸のうごき
(胸が広がる/戻る、お腹がふくらむ/しぼむ) - 心拍のようす
- 筋肉のようす
(硬さ、緊張、ゆるみ、上下左右) - 内臓感覚
(胃の重さ、お腹の緊張/ゆるみ)
全体
- 温かさ
- だるさ
- 静かさ
感覚のヒント
- ぼんやり
- 評価しない
- 変えようとしない
Inside は短時間でOK
「分からない」も立派な感覚。
不調や凍りつき・解離っぽさが出るときほど Inside を深めない。
まず Borders(境界線) を通して「戻れる=だいじょうぶ」を作る。
Insideが悪いのではなく、単独運用(インサイドのみに浸り切っている固定化)がアンバランスな体感を生み出す
安定したInsideの特徴
Insideの変化 → Bordersで「安全」に表現 → Outsideの「物語」が更新される
① Outsideが同時に残っている「深くても、世界がある。」
- 空間の奥行きが消えていない
- 音や温度が背景としてある
- 身体が「ある・置かれている」感じがある
② Bordersが自動で働いている「守ろうとしていない。」
- 感覚が出入りする
- 感情に飲み込まれない
- 強度が勝手に調整される
③ 主体が一点に固定されない「Insideに滞在しているだけ。」
- 注意が微妙に揺れている:固定されていない
- 内側にいても「余白」がある
- 観察者ポジションに固着しない
④ 終わったあと、日常に戻れる「可逆性が高い。」
- ぼーっとしすぎない
- 身体が軽くなる
- 行動に移りやすい



