フラッシュバックとは何か
フラッシュバック中の人は、
過去のトラウマ体験に圧倒されている
と説明しています。
そのとき人は、
- 強烈な感情
- 身体感覚
- イメージ
- 記憶
に飲み込まれます。
そして、
「今ここ」とのつながりが弱くなる
ことがあります。
観察する自己(Observing Self)が失われる
フラッシュバック中には
Observing Self(観察する自己)
が機能しにくくなる。
普段なら、
「私は恐怖を感じている」
と気づけます。
しかし、フラッシュバック中は、
「私は危険だ」
「いま起きている」
と感じてしまいます。
つまり、
体験を見ている立場と、
体験そのものが一体化してしまうのです。
フラッシュバック停止プロトコル
このプロトコルの目的は、
トラウマ記憶を処理することではありません。
目的は、
現在に戻ること
です。
著者は、
これによって
- 一時的な安定
- Window of Toleranceへの復帰
- 現実検討能力の回復
が期待できると述べています。
声に出して答えてもらう
フラッシュバック中の人に「声に出して答えてもらう」例が掲載されています。
最初の問いは、
- 今感じている感情は何ですか?
- 身体のどこに感じていますか?
というものです。
つまり、
感情や身体感覚を認識しながら、
少しずつ
「いま・ここ」
へ戻ってくることを助けます。
フラッシュバックへの第一歩は、
過去を分析することではなく、「いま私は何を感じているか」に戻ること。
体験そのものになるのではなく、
体験に気づく位置を回復する
流れは次のようなものです。
① いま、感じている感情を特定する
- 今、私は○○を感じている
- その感情は身体のどこにあるか
を確認します。
② いま、起きている身体感覚を確認する
少なくとも3つ以上の身体感覚を挙げます。
例えば、
- 胸が苦しい
- 胃が重い
- 手が震えている
など。
③ 記憶と現在を区別する
次に、
私はいま○○を思い出している
と確認します。
ここで重要なのは、
「いま起きている」ではなく、
「思い出している」
と位置づけることです。
④ 現在の環境を確認する
- 今年は何年か
- いまどこにいるか
- 何が見えるか
などを確認します。
⑤ 「いまは起きていない」と確認する
最後に、
その出来事は今は起きていない
と確認します。
「観察する自己(observing self)」を再び働かせる
ことを目的としています。つまり、
トラウマ記憶と一体化している状態から、少し距離を取り、
「思い出している私」
の位置を回復するための手順です。
すべての人に当てはまるわけではない
著者は、
このプロトコルは万能ではないと説明しています。
例えば、
- 現在も虐待や暴力が続いている
- 現在進行形で危険な状況にいる
場合には、
単純に
「今は安全です」
と言えないことがあります。
そのため、
状況に応じた判断が必要です。
このプロトコルではまず
神経系を現在に戻す
ことが目的です。
参考図書:Trauma-Sensitive Mindfulness: Practices for Safe and Transformative Healing (English Edition) David A. Treleaven (著)
日本語訳もでています>>トラウマセンシティブ・マインドフルネスー安全で変容的な癒しのために デイビッド・A・トレリーヴェン (著)
