著者は、
マインドフルネス教師がトラウマの専門家である必要はない
としながらも、
トラウマ専門家と連携できる体制を持つことの重要性
を述べています。
なぜ「適切な専門家につなぐこと」ことが必要なのか?
マインドフルネスの参加者の中には、
- PTSD
- 発達性トラウマ
- 自傷傾向
- 希死念慮
- 強い解離
- 深刻な精神的不安定さ
を抱えている人もいます。
そうしたケースでは、瞑想指導だけで対応しようとせず、
「適切な専門家につなぐこと」
が勧められています。
理想的なトラウマ専門家の条件
著者は、その連携先として望ましい「専門家の特徴」を挙げています。
① トラウマについて専門的訓練を受けている
例として
- 心理学
- ソーシャルワーク
- トラウマ専門教育
- ソマティック系アプローチ
など。
日本で「トラウマについて専門的訓練を受けている人」を探す場合、
まず土台として重視したいのは次の2つです。
- 公認心理師
- 臨床心理士
そのうえで、トラウマ領域では
資格そのものよりも、
「どんなトラウマ関連の追加研修トレーニングを受けているか」
というところで代表的なのは、
- Somatic Experiencing Practitioner
(ソマティック・エクスペリエンシング略称: SE) - EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)
- ブレインスポッティング
(特定の視線と目の位置を固定することで、脳の深い部分に蓄積されたトラウマや強いストレスをケアする心理療法) - Accelerated Experiential Dynamic Psychotherapy
(加速化体験力動心理療法:愛着理論と感情、脳神経科学を統合した心理療法、略称: AEDP) - Dynamic Attachment Re-patterning Experience
(幼少期の養育者との関係における愛着「アタッチメント」の傷つきやトラウマを癒やし、大人になってからの人間関係や情緒の安定を改善することに特化している心理療法、略称:DARe®療法)
などです。 日本でいえば
- 公認心理師・臨床心理士+SEプラクティショナー
- 公認心理師・臨床心理士+EMDR認定
- 公認心理師・臨床心理士+SEプラクティショナー+EMDR
というように、複数の資格やトラウマ関連の研修を受けている専門家さんがいらっしゃいます。
② リスク評価ができる
例えば
- 自殺リスク
- 自傷
- 深刻な精神症状
などを適切に判断できること。
③ マインドフルネスを理解している
単にトラウマを知っているだけではなく、
- 瞑想
- マインドフルネス実践
についても理解があることが望ましいとされています。
④ 社会的・文化的要因も理解している
人種・階級・差別・権力構造など、社会的文脈がトラウマに与える影響も理解できること
が挙げられています。
具体的な連携方法
著者は以下のような方法を提案しています。
- 定期的にトラウマ専門家へ相談する
- 緊急時に連絡できる体制を作る
- 参加者の担当セラピストと連携する
- リトリートにトラウマ専門家を同席させる
- 教師チームにトラウマ専門家を加える
などです。
例えば、
- 強いフラッシュバック
- 解離
- 希死念慮
- 重度のPTSD
などが見られる場合には、
信頼できる心理職とつながる。
そうした紹介先や連携先を持っておくこと自体が、
トラウマセンシティブな場づくりの一部だ
と伝えています。
について具体的に説明されています。
重症度の高い人はグループ実践より個別支援が優先
以下のような
- 強いトラウマ症状がある
- 精神的に非常に不安定
- 自殺念慮がある
こうした場合、
まずはトラウマ専門家による
個別支援を受けることが勧められています。
トラウマ専門家とのネットワークを持つ
著者は、
トラウマセンシティブな実践者は
「自分一人で抱え込まない」
ことが重要だと説明しています。
参加者が必要なときに紹介できるよう、
トラウマ専門家とのつながりを持っておくことが勧められています。
理想的な専門家の条件まとめ
理想的な専門家は
- トラウマの専門訓練を受けている
- 自傷や自殺リスクを評価できる
- マインドフルネスを理解している
- 社会的背景(差別・権力関係・文化的要因)も理解している
とされています。
参考図書:Trauma-Sensitive Mindfulness: Practices for Safe and Transformative Healing (English Edition) David A. Treleaven (著)
日本語訳もでています>>トラウマセンシティブ・マインドフルネスー安全で変容的な癒しのために デイビッド・A・トレリーヴェン (著)
