病気との向き合い方として、“戦争モデル”は本当に適切なのか?

癒し

参考図書:The Myth of Normal: Trauma, Illness, and Healing in a Toxic Culture (English Edition)  Gabor Maté MD  (著)

「病気は“敵”ではなく、
人生全体からのメッセージとして読むこともできる」

「 病気とは“突然壊れること”ではなく、
長期的な生き方・神経系・感情のプロセスの表現である 」

病気は“敵との戦争”ではなく、
人生全体の流れの中で起きる
身体からのプロセスである

「病気との関係性」を変えると、
人は単なる“被害者”ではなくなる


私たちは普段、

  • 「癌と闘う」
  • 「病気に勝つ」
  • 「病をやっつける」

という“戦争の言葉”で病気を語りがち。

でも著者は、

その見方は、
身体を“敵”として扱ってしまう危険がある

Gabor Maté MD 

病気は“モノ”ではない
病気は「敵」ではなく「流れ」

病気は、どこかから侵入した単独の敵ではなく、

  • 身体
  • 神経系
  • 感情
  • ストレス
  • 人生経験
  • 社会環境

などが絡み合った
動的なプロセス(flow)

として理解したほうがいいのではないか

著者は、

「I have cancer(私は癌を持っている)」

という言い方の中に、

“癌”という独立した“モノ”が、
自分とは別に存在している

という無意識の前提があると述べています。

西洋医学では病気を

  • 「異物」
  • 「故障した部品」
  • 「侵入者」

のように扱いがちだと述べています。

でも実際には、

病気はその人の人生全体、
身体全体の流れの中で起きている。

  • 人生史
  • 感情
  • 社会環境
  • ストレス
  • 人間関係
  • 自己との関係
  • 神経系の状態

などを切り離して病気は起きえない。

病気は突然やってくる単独イベントではない

病気は“突然発症した”ように見えても、
実際には長い準備期間がある

  • 長期的な積み重ね
  • 適応
  • 防衛
  • 抑圧
  • 神経系の偏り

などが、時間をかけて身体化したもの

病気とは固定された“モノ”ではなく、長期的な“プロセス”である

ストレスと病気の関連

人は長期的に「脅威」「不安」「孤立」を感じ続けると、
身体が炎症遺伝子をONにする

  • 幼少期逆境
  • 虐待
  • 家庭不和
  • 慢性ストレス

などが、後年の癌リスクを上げる研究結果がある。特に、

子ども時代の逆境が多い女性は、
癌リスクが大きく上昇した

さらに、

  • 慢性ストレス
  • 炎症
  • ホルモン変化
  • 免疫変化

が癌形成と深く関わる、
とも説明されています。

ここで著者が言いたいのは、

「病気は気のせい」でも
「全部メンタル」でもありません。

むしろ、心・身体・神経系・社会環境は分離できない

「ストレス=癌の単純原因」ではない
(ストレスそのものが癌を“直接”作るわけではない)

と慎重に述べている一方で、

慢性ストレスが起こすこと

慢性的ストレスによって、

  • 炎症性サイトカイン増加
  • DNA修復低下
  • 腫瘍抑制機能低下
  • 血管新生促進
  • 免疫抑制

などが起こると説明しています。

「健康」と「病気」は完全に分かれていない

人は、

  • 健康 ↔ 不調
  • 調整 ↔ 崩れ
  • 回復 ↔ 防衛

のあいだを、常に揺れ動いている。つまり病気は、

「突然壊れた」のではなく、
長期プロセスの延長線上にある。

「健康」と「病気」は、
明確に分離された別世界ではない

参考図書:The Myth of Normal: Trauma, Illness, and Healing in a Toxic Culture (English Edition)  Gabor Maté MD  (著)