不快をなくすより先に、“戻ってこれる回路”を育てる。
痛みの中だけを見ない。安全も同時に見ていい。
これは「痛みを我慢する」でも「痛みを消す」でもなく、
神経系に“安全な場所も同時にある”と教える練習ワークです
ペンデュレーション(振り子運動)という技法をつかって、
カラダを観察・かんじてみます。
痛みに意識を向け続けると、神経系はさらに緊張します。
そこで、リソース(楽・安心な感覚、外的リソース)も味わいます。
ペンデュレーションってなに?
「不快」と「楽(or まあまあ、内的リソース)」を行き来する振り子運動。
ポイント:
不快に意識を固定しない。
固定すると神経系が「そこが危険だ」と学習して緊張が上がることがある。
行き来することで、「不快の中にも余白がある」「戻ってこられる」を身体が覚える。
内的リソースとは?
自分の体の内側の、戻ってこれる“安全の足場”
(=神経系が回復・安定しやすくなる内側の条件)
外的リソース(光・毛布・猫・場所)みたいな
外側・Outsideにあるものじゃなくて、
体の中に“再現できる”安心の手がかり
内的リソース例
身体が支えられている感覚(支え・重み)
座面、背骨の支え、足裏の“土台感”などを“内側から”感じられる
呼吸のここちよさ
深呼吸じゃなくて「自然と繰り返し戻る呼吸」
体内の“ニュートラルな場所”
痛くも怖くもない領域:手のひらの温かさ、腹の一部の静けさなど
できた感/対処できた感
「戻れた」「止められた」「調整できた」という身体記憶
安心の身体感覚
胸がゆるむ・顔がほどける等の“反応”として立ち上がってくる感覚
自己境界の安心感
内側に輪郭がある/自分のペースがあるという安心感
リソースが“効いてる”サイン
- 視野が少し広がる
- 顔・顎・肩がほんの少しゆるむ
- 呼吸が「深くする」じゃなく勝手に戻る
- 怖さや不快があっても、同時に“支え”も感じられる
- その後、日常に戻れる(会話・家事・仕事が回る)
内的リソースが“まだ薄い”時のサイン
- 内側を感じようとすると
遠のく/ぼーっと/眠くなる - 身体に意識を向けると 不安が増える
- 「何も分からない」か「痛い・怖い」しか出てこない
その場合は、内的リソースを増やすより先に
外的リソース+Borders(支え・輪郭・ペース)を厚くした方が安全なことが多い。
3種類のリソース
外的リソース =安心させてくれる場所、光、音、温度、飲み物、毛布、動物など
関係性リソース=同調してくれる相手、境界が守られる関係、仲間
内的リソース =呼吸などの体内感、身体の支え、安心の記憶
※リソースとは神経系が“今は安全”と判断して、回復(落ち着き/戻る)ができる手がかり/足場/材料 のことです。
ワークのおすすめタイミング
肩こり・顎のこわばり・胃の重さ・緊張が抜けない
といった「日常レベルの不快」
「強烈」じゃなく「ほどほど」の知覚からやってみる
神経系に「不快な場所だけじゃないよ、安全な場所もあるよ」
と教えて、緊張を緩ませます。
このワークは医療行為ではなく、
身体感覚を安全に行き来させる練習として紹介しています。
ワークをやっていて 気分が沈む/現実が遠い/ぼーっとする/眠気が強い/苦しくなる なら中止、または強度を下げる(不快に触れる時間を1秒にする、外界を見る、立つ・歩く、水を飲む)
強いフラッシュバックやパニック、解離っぽさが出る人は専門サポート優先です
やり方(30秒〜2分版)
準備:目は開けたままでもOK。
椅子なら「座面と足裏の接地感」を軽く感じる。
- 不快を1つ選ぶ(3秒)
肩・顎・みぞおち…「強烈」じゃなく「ほどほど」から。
→ 3秒だけ「ある」と確認。長居しない。 - “なんでもない平気な場所”を探す(10秒)
足裏/手のひら/耳たぶ/太もも/背中の接地など
→ なんでもない平気なところをみつけて、そこに10秒「ある」と確認 - 楽(マシ、なんでもない)を味わう(10秒)
じわっと温かい、広い、軽い、境界がある…なんでも。
→ このかんじがメイン(内的リソースを味わうが優先) - 行き来を2〜4往復
不快(1〜3秒)→ 楽(10秒)
※ 不快が増えるなら、不快は1秒にして楽を長めに。
安全ルール:
不快に長居しない。目安は
不快1〜3秒:楽10〜20秒(楽を長めに)
途中で 現実感が遠い/眠気が強い/気分が沈む が出たら、
不快は1秒にして外界(光・音・景色)へ戻る、または中止。
ポイント&コツ
- 不快は“ただ気づくだけ”で“掘らない”(原因探しは、しない)
- 「楽な感覚」が見つからない日は 外的リソースへ
- 部屋の色を3つ見る/窓の光を見る/手触りのいい布を触る/好きな場所、ペット、心地よい人、自然など。(Outsideワーク)
- “楽”が薄い人は 接地(足裏・座面)」をメインに(Bordersワーク)
変化のサイン
- 呼吸が勝手に深くなる、ため息が出る
- 皮膚感覚が戻る、境界がはっきりする
- 不快が「一点→面」へ「固い→ぼやける」など質感が変わる
※痛みが即ゼロにならなくても、神経系の柔らかさが出たら十分価値あり
- 悪化サイン:不快感が強い、増える/息が苦しい/ぼーっとが強い
→ その場合、不快を1秒にして外的リソースへ
行っている途中で、現実感が遠のく/眠気が強い/気分が沈むなどが出る場合は、不快に触れる時間を短くして外界(音・光・景色)に戻るか、いったん中止してください。生活に支障が続く場合は、専門家のサポートにつながることをおすすめします。


